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ウインドウフィルムを貼ると「熱割れ」が起こりやすくなる?

ウインドウフィルムを貼ると「熱割れ」が起こりやすくなる?

皆様は、コップに熱いお湯を注いで割ってしまった経験はありませんか? この「熱割れ」は、すべてのガラス製品の大敵であり、窓ガラスでも注意しなくてはならないトラブルの一つです。そこで気になるのが、ウインドウフィルムと熱割れとの関係です。

今回は、建物の設計者の方からよく寄せられる不安の声、「窓ガラスにフィルムを貼ると、温度の変化により熱割れが発生するのでは?」という問題について考えていきたいと思います。

その時、ガラスには何が起こっている?

まず、ガラスの熱割れ、窓ガラスの熱割れはどのような時に起こるのか、当社技術担当者に聞きました。

「熱割れは、ガラスの部分的な温度差によって起こります。コップに熱湯を注ぐ場合を例にすると、熱湯が注がれた部分のガラスは温度が上昇し、膨張します。しかし、金属のシンクに触れている部分等、温度が上がりにくい部分もあります。すると、膨張する部分と温度が上がっていない部分とで、引っ張り合いになり、その境目で割れてしまうのです。
なお、この引張応力のことを『熱応力』といいます。熱割れが発生するか否かは、発生する熱応力と、ガラスが保持している許容熱応力の関係で決まります。発生熱応力よりも許容熱応力の方が高ければ、熱割れはしないということです。
窓ガラスは、直射日光を受けた部分は温度が上昇して膨張します。一方、ガラス周辺のサッシに埋め込まれた部分等、日射が当たっておらず、またパッキン等の部材に触れている部分は、さほど温度は上昇しません。それにより強い熱応力が発生し、サッシに近い部分に「ピシッ」とひびが入り、その後、そのひびがどんどん広がっていきます。
熱割れは、温度の「差」によって起こりますので、日差しが強い夏季よりも、冬の晴れた日の午前中に起こりやすくなります。夜間に、サッシの周りのガラスが冷え切った状態で、強い日射を受けることで、大きな温度差が生じるのです」

熱割れリスクを高める要素とは?

ガラスが持つ許容熱応力によって、熱割れリスクは変化します。そこで、熱割れを起こしにくいガラス、起こしやすいガラスの種類等について聞きました。

「通常窓ガラスに使われるフロートガラスと比べ、いわゆる強化ガラスは許容熱応力が強いといえます。強化ガラスには、ほぼ熱割れが起こることはない、といってよいものもあります。

逆に熱割れを起こしやすいタイプもあります。例えば、フロートガラスは薄いものより厚みのある方が、ガラス内部に温度差ができやすくなるので割れやすくなります。また、ワイヤーが入った網入りガラスは特に注意が必要です。一見、ワイヤーが入っていて丈夫そうに見えますが、むしろ許容熱応力が小さいのです。熱割れ計算上、同じ発生熱応力で、フロートガラスなら割れないのに、網入りガラスなら割れるということがしばしば起こります。また、ワイヤーのサビ等の影響で、さらに許容熱応力が下がり、熱割れしやすくなることもあります。 

また、ガラスの使用状況も熱割れのリスクを変化させます。日射の状況はもちろん、カーテンやブラインド等で部分的な影ができたり、窓の前に家具や機器を置くことで熱がこもりやすくなったり、日常的な行動で熱応力を高めてしまうことがあります」

「貼る」ことによる熱応力の発生

それでは、ウインドウフィルムを貼ることで熱割れが起こりやすくなることがあるのでしょうか。

「熱割れリスクが上昇する行為の一つが、ガラスに物を貼り付けることです。たとえば、窓の真ん中に黒いポスターを貼ると、ポスターの部分に熱が吸収され、温度が上がりやすくなります。それにより、ポスターが貼られていないサッシ周辺のガラスとの温度差が激しくなります。
ウインドウフィルムも、その危険性はゼロではありません。フィルムを貼った後に熱割れが起こってしまうというケースは、ごくまれにあります。そのような経験をしたことのある設計者の方が、フィルムの貼付に二の足を踏んでしまうというのは致し方ないところです。しかし、後述する熱割れ計算をきちんとやっていただければ、熱割れはほとんど起こらないということも、ぜひ知っていただきたいと考えています」

熱割れを起こしやすいフィルム 起こしにくいフィルム

ウインドウフィルムのタイプ別に、熱割れのリスクが高い製品、低い製品について聞きました。

「製品によって発生熱応力、熱割れリスクが高くなるものがあります。たとえば、黒っぽいカラーフィルムは、熱を吸収しますので、比較的温度差による熱応力が生じやすいといえるでしょう。一方、金属層を持ったミラー調のフィルムは、太陽光を反射しますので、熱がこもりにくく、熱応力は発生しにくいといえます。
透明フィルムも熱を吸収しにくいため、貼付による温度上昇が比較的起こりにくいといえます。とくに当社製品では、飛散防止や日射調整等で高い性能を示し、ご好評をいただいているマルチレイヤーNanoシリーズの透明遮熱フィルム マルチレイヤーNano80S、Nano90Sは、熱割れを起こしにくい製品です」

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設計者の強い味方「熱割れ計算」

熱割れの発生原因は、ガラスの種類、日射等の環境、フィルムの種類などが複雑に関連していることがわかりました。では、これらによる熱割れリスクを事前に知ることはできないのでしょうか。

「当社では、ホームページ上に熱割れ計算システムを掲載しています。熱割れ計算は、すべての3M™ スコッチティント™ ウインドウフィルム、3M™ ファサラ™ ガラスシェードを対象に、ガラス開口部の部位ごとに熱割れを起こさないかを計算によって判定するシステムです。
ガラスの種類、日照時間や方角、カーテンやブラインド等の設備といった諸条件を入力すると、施工できるフィルムが一覧となって表示されます。簡易版では、入力した環境で利用可能なフィルムの製品名が表示され、詳細版では、発生熱応力等が数値で表示されるなど、より詳しい情報を取得することができます。フィルムの貼付前に、あらかじめ熱割れ計算を行うことで、リスクを事前に知り、安心してフィルムを使用することができます」

事前の準備でリスクを最小に

最後に、熱割れ計算利用の際の注意点等について聞きました。

「現場の事前調査をしっかり行うことです。とくに間違えやすいのが、日射が当たりにくい北向きの窓。日射がまったく当たらないと判断してしまいがちですが、真北でなければ、少しだけ当たる部分ができることが多いものです。部分的に温度が上がることは、熱割れのリスクを高める条件となります。
また、設置時には想定していなかった季節の変化、家具などの設置、周囲の建物の建築等によって温度差が発生し、リスクが高まることもあります。熱割れ計算を行う際は、日射の状況、設備の状況等を、なるべく正確に把握し、入力値に反映させることが大切です」
3Mのウインドウフィルムは、熱応力についての試験、調査を詳細に行っており、結果について情報提供しています。熱割れ計算システムの利用方法、また各製品の熱割れ防止性能に関する詳しい情報等については、お気軽にお問い合わせください。

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