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ウインドウフィルムの「隙間」 エッジスペースはなぜ必要?

ウインドウフィルムの「隙間」 エッジスペースはなぜ必要?

ウインドウフィルムが実現する美しい窓の外観や性能を長く保つためには、正しい施工方法で貼付することが大切です。当社では設計、施工担当の皆様に、正しいウインドウフィルムの貼付方法の情報を提供しています。

その中で、設計担当者から質問・お問い合わせの多い工程の一つに、窓枠とフィルムの間に、少しだけ隙間を開ける「エッジスペースについて」があります。

「見栄えをよくするためエッジスペースを作らず、サッシにピッタリと貼りたい」「エッジスペースによって飛散防止などの性能が落ちてしまうのではないか」といった声が寄せられています。そこで今回は、エッジスペースの必要性、役割などについて解説していきます。

フィルムの大敵 毛細管現象

まず、ウインドウフィルムには、なぜエッジスペースを設けるべきなのか、当社の技術担当者に聞きました。

「ウインドウフィルムの貼付では、水を噴霧したガラスにフィルムを貼り、スキージー等で水を抜きながら圧着します。その際、空気が入らないよう、きれいに水を抜くことが最も重要です。エッジスペースは、まずフィルム施工時に、スムーズに空気と水を抜くために必要なものです。

ガラスとサッシの間には、ゴムのシーラーやパッキンが打たれています。フィルムをサッシぎりぎりに貼ると、目には見えないシーラー等にフィルムがかかってしまうことになります。

それによってガラスとフィルムの間に小さな隙間ができると、『毛細管現象』によって水が吸い上げられ、細い筋のようになってフィルムが浮き上がってしまうことがあるのです」

熱によるフィルムの伸縮に注意

「もう一つ重要なポイントは、熱によるフィルムの伸縮です。窓は、建物の中でも季節による温度の変化が激しい部位です。

ウインドウフィルムは樹脂でできている有機物であり、一方ガラスは無機物。ガラスよりもフィルムのほうが伸縮率は大きくなります。

先ほども申し上げたように、サッシとガラスの間には、シーラーなど平らでない部分があります。

エッジスペースを作らずに、サッシぎりぎりにフィルムを貼ると、夏場だと熱膨張によってフィルムがシーラーに乗り上げ、浮き上がってしまいます。すると、フィルムとガラスの間に水やゴミが入り込んで透明度が下がったり、粘着剤の接着力が落ちたりしてしまうのです」

長さの目安は2~3mm

では、ウインドウフィルムとサッシの間には、どのくらいのエッジスペースが必要になるのでしょうか。

「最低限必要なエッジスペースは、素材や厚さなどにより、熱によるフィルムの伸縮率に差が生じるため、厳密にいうと製品ごとに異なります。

たとえば、ウインドウフィルムの基材に使用されるポリエステルは、温度による変化は比較的少ない素材ですが、塩化ビニールなどでは、伸縮率はもっと大きくなります。

当社では、ウインドウフィルムを貼付する際、2~3mmのエッジスペースを設けることをおすすめしています。

この幅を確保すれば、だいたいどの製品であってもシーラーへの乗り上げといった問題は発生しないと言っていいと思います」

外観上の問題は、ほぼ「なし」

では、なぜエッジスペースは設計担当者、施工担当者の皆様から敬遠されがちなのか、引き続き当社技術担当者に聞きました。

「エッジスペースを避けたいと考えられている理由には大きく2つあります。最も大きな理由は『隙間が目立ってしまうのではないか』という、外観上の懸念だと思います。

しかし、ガラスに透明フィルムを貼った場合、エッジスペースはほとんど見えず、見た目の影響はありません。もちろん、近くで見れば境目が見えますが、よほど意識して見なければ分からないと言っていいと思います」

ただし、金属層を利用したフィルムやカラーが入ったフィルムの場合、透明フィルムに比べ、ガラス窓との色の違いが大きくなり、エッジスペースが目立ちやすくなるのは事実です。

しかしその場合も、2~3m離れると認識することは非常に難しくなります。ビルの窓にフィルムを貼る場合などでは、外観の変化は気にしなくてよいレベルでしょう」

エッジスペースで飛散防止性能はどうなる?

「外観以外に、もう一つ多くご質問をいただくテーマがあります。それは『エッジスペースを設けても、ウインドウフィルムに求められる安全性能が確保されるのか』ということです。

とくに、地震による揺れや、台風等による物の激突などによって、ガラスが割れた際の飛散防止性能が落ちてしまうのではないかと不安を感じる方がいらっしゃいます。

エッジスペースは、ガラスの周囲を四角く囲む状態になりますので、ガラスが割れた際に大きな破片となって落ちるのではないかという心配があるようです。

ウインドウフィルムは、ビルの道路に面する大窓や、学校や工場など安全性が重視される施設で利用されることが多いため、ガラスの飛散・落下による二次被害の発生が懸念されることはよく理解できます。

まず、ガラス窓に多く使われるフロート板ガラスは、割れる際、一つ一つの破片が大きくなります。

ウインドウフィルムを貼ると、ガラス全面をフィルムで押さえた状態になりますので、サッシとフィルムの間に2~3mmの隙間があるからといって、破片が増えるとは考えにくいといえます。

より心配が大きいと思われるのが強化ガラスです。強化ガラスは割れる際、形のそろった小さな破片となりますので、飛散・落下が起きやすいと思われます。

しかし、強化ガラスの破片の一つのサイズは1cm程度。これらがジグソーパズルのように互いに支え合い、ウインドウフィルムがその全体を支える状態になります。

やはり、2~3mmのエッジスペースが破片の飛散・落下に及ぼす影響は極めて限定的だといえるでしょう」

詳細な試験で飛散防止性能を検証

「当社では、ウインドウフィルムを貼付したガラスの飛散防止性能を様々な試験により検証しています。

たとえば地震の揺れを想定し、ガラスをゆがめて割り、破片の落下状況を調べる『層間変位試験」や、人体等がガラスにぶつかった場合を想定し、重りをつけた振り子をガラスに激突させる『ショットバック試験』などです。

エッジスペースの有無によって、これらの実験結果に影響があるのか調べたところ、落下したガラスの量等は、JISで定められる厳格な基準に則り、エッジスペースを全く作らずに貼付した場合と同等となりました。エッジスペースによって飛散防止性能が落ちることはないといえます」

エッジスペースの正しい知識を

エッジスペースはフィルムをきれいに貼付するため、そして、フィルムを良い状態で長く使い続けるための大切な存在です。性能や外観についても悪影響を及ぼすことはないということも知っておきたいところです。

当社では、エッジスペースを含め、フィルムの適切な施工方法についてのアドバイス、飛散防止性能をはじめとした性能データの提供等を行っています。

製品ごとに必要とされるエッジスペースの幅などの詳細な情報も提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

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