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第四章 テープの完成とブートレッキングの始まり

しかたなくドルーは以前の研磨材の職場に戻りましたが、マスキングテープの開発をあきらめたわけではありませんでした。こっそりと研究を続けていたのです。

ドルーの悩みはテープの基材として最適な紙が見つからないことでした。ところがある日、耐水研磨材の実験に使う紙を探しに倉庫に行ったドルーは、埃塗れになって転がっていた紙のロールに目を留めました。それはタオルのようにしわがあり、吸水性のあるクレープ紙で、しわのお陰で伸縮性がありました。ドルーは研磨材の実験のことなどすっかり忘れ、すぐにそれでマスキングテープのサンプル作りに熱中しました。そしてついに満足のいく製品ができることを確信したのです。

ある日、研究に夢中になっているドルーの姿が通りかかったマックナイトの目に留まりました。しかし彼はチラリと見ただけで、何も言わずに通りすぎていきました。この一件が、上司から認められていない研究でも、自分が正しいと信じるなら続けても良しとする3Mの企業文化『ブートレッギング(密造酒作り)』の原点と言われています。

最終的に3Mはこの製品を〈スコッチ〉ブランドマスキングテープと名づけました。現在まで続く〈スコッチ〉ブランドはこうして誕生したのです。
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