2015/5/22
目隠し機能を実現する新製品 フロストシリーズの魅力に迫る

そして5月、目隠し性能を持つウインドウフィルムの新たなラインナップとして「フロストシリーズ」の販売を開始します。同シリーズの技術担当者、リニューアブルエナジー技術部の服部和幸さんに、新製品のフロストシリーズの魅力や構造、用途などについて聞きました。
製品の特長 ラインナップを紹介
――新製品「フロストシリーズ」の概要についてお聞かせください。

フロストシリーズは、耐候性・耐久性・発色性に優れた着色層と、表面に汚れ防止機能のある特殊コーティング層を持つウインドウフィルムです。
フロストシリーズは、特殊な表面加工によってマット感を出し、目隠し性能を実現しています。そして、同シリーズの最も大きな特長となっているのが色の豊富さです。シルバー2種、ブラック、ブルー、ブロンズ、グレー、マット、ミルキー、8つのカラーバリエーションを持つ製品群となっています。
すりガラスではできない表現を実現
――フロストシリーズの開発のきっかけとして、お客様からどのようなニーズがあったのでしょうか。
まず、目隠し性能を持つウインドウフィルムは、建物の施工後、設計・デザイン時に想定していなかった事情により、一部のガラスについて透明度を制限し、視線を遮る必要が生じた際に利用いただいています。
当社には従来「3M™ ファサラ™ ガラスフィルム」等、マット加工による目隠し性能を持つフィルムのラインナップがあります。グラデーションやストライプ、ドットなどの意匠を施した製品をリリースすることで、デザイン性も高めています。
しかし、カラーリングの面から見ると、既存の製品は、いわゆる「すりガラス」を作る白色が中心となっています。お客様からは、かねて、すりガラスでは出せない表現を実現するため、様々な色のフィルムへの要望がありました。フロストシリーズは、そのカラーバリエーションのニーズに対応するべく開発したものです。
多様な要望に応えるカラーバリエーション
――カラーの種類については、具体的にどのような要望があったのでしょうか。
たとえば、コンクリートがメインの建物の窓ガラスに貼るフィルムは、ブルー系の色が好まれる傾向があります。また、クラシックなデザインの建物、ベランダの手すりなどには、ブロンズ調のカラーを持ったフィルムへの要望が強いようです。フロストシリーズの開発においては、お客様の要望をもとに、カラーの選定、鮮やかな色彩を出すための技術開発を重視しました。

――フロストシリーズのカラーバリエーションの中には、シルバーもありますね。
はい。メタリックな表現、クールな外観を実現するシルバーは、非常に要望の高い色の一つです。フロストシリーズのシルバー製品には、高反射層を設けており、フィルムの透過率と反射率を調整することによって、外部から鏡のように見える、ミラー調の表現も可能となっています。
豊かな色彩表現を生み出すための工夫
――豊かな外観を実現するには、鮮やかな色を出すことが必要です。発色に関して工夫したところはどこでしょうか。

カラーバリエーションの展開には、フィルムへの着色が必要となります。
当社では、従来、屋外のマーキング、看板などで利用される、「3M™ スコッチカル™ フィルム」を提供しています。フロストシリーズには、スコッチカル™ フィルムで長年の実績のある着色技術を利用することができました。
――着色による、発色以外の利点はありますか。
カラーが入ったフィルムで大きな課題となるのが、経年劣化による色抜け、退色です。フィルムの表面の汚れも、色の表現には大敵となります。
当社は、スコッチカル™ フィルムの展開により、着色フィルムの耐久性を高めてきました。また、表面を特殊コーティングすることにより、汚れをつきにくくする技術も持っています。これらの技術も、フロストシリーズに活かすことができました。
透過性により目隠し性能のレベルを調整

――フロストシリーズの目隠し性能はどの程度あるのでしょうか。
様々な透過性の製品を用意しており、目隠し性能も調整することができます。たとえばミラー調のフィルムは、反射率をコントロールすることで、ある程度外から見えるもの、ほぼ透過がないものの2タイプを用意しています。
ブラックの製品の中にも、透過率がきわめて低く、外部から中の様子がほとんど見えないものがあります。これは、たとえばデータセンターなど機密性を重視する場所や、倉庫など、内部の状況を全く見せたくないといった場所で、窓の透明度を完全になくしてしまいたいという要望に合わせたものです。
一方、会議室、部屋の間仕切りなど、人がいることは確認する必要があるものの、プライバシーを守るべき場所には、透過性がある程度あり、個人が特定できない範囲で人の影が見えるフィルムが不可欠となります。フロストシリーズは、透過性の異なる製品の中から、お部屋、窓の状況、ニーズに合わせてお選びいただけるようになっています。
機能性とデザイン性を両立する
――フロストシリーズが持つ、その他の機能としてはどういったものがありますか。
フロストシリーズでは、フィルムをガラス面へ貼り付けるために、従来の「3M™ スコッチティント™ ウインドウフィルム」で使用している粘着剤技術を応用しています。当社の粘着剤には、UVカット性能、ガラス飛散防止性能に豊富な実績がありますので、それらの性能も担保されています。
――フロストマットには、トップライト等の反射光が一定の場所に当たってしまう「反射光害」への対応というニーズもありますが、その点でも効果は期待できますか?
フロストシリーズの大きな特長である表面マット加工は、凹凸により反射光を拡散するという働きがありますので、反射光害への効果も高いものとなっています。反射光による苦情も、建物の完成後に問題が顕在化することが多いのが特徴です。急なニーズに対しても、デザイン性を損なうことなく、低コストで対応できる最適な方法になるものと期待しています。
――最後に、ユーザーの皆様に、改めて製品の魅力について紹介をお願いします。
フロストシリーズは、従来品で実績のある各種の機能を確保しながら、目隠し性能、そして意匠性、表現力を実現したフロスト/マット製品です。製品の選択の幅が大きく広がることにより、設計担当者の皆様が理想の建物、理想の窓を作るために、必ずお役に立つものと考えています。
透過性、フロストの粗さなど、建物の実情に合わせ、デザインと機能において最適な製品をお選びいただけるよう、私たちも、有益な情報を提供していきたいと考えていますので、ぜひご検討ください。

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